国際ジャーナリスト・高橋浩祐氏「トランプ大統領の虚偽情報に最後の最後まで踊らされ続ける支持者」「トランプ氏の炎上商法の手法を改めて知っておくことは、世界各地でポピュリズムがはびこる中、無駄ではないだろう」

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トランプ大統領の虚偽情報に最後の最後まで踊らされ続ける支持者

高橋浩祐 | 国際ジャーナリスト
11/23(月) 7:00

トランプ大統領が大統領選での敗北をいつまでも認めずに、虚偽の主張を続けている。そして、多くのトランプ支持者がそれを信じている。彼らトランプ信者は、トランプというお釈迦様の手のひらの上にいる孫悟空のようなもので、うまく踊らされている。

トランプ陣営は、ミシガンやジョージア、ネバダ、アリゾナ、ウィスコンシンといったほぼ全ての激戦州で次々と訴えを却下されている。選挙の不正を訴える法廷戦術が尽き、行き詰まりを見せている。

直近でもトランプ氏にとっては、とても痛い裁判の負けがあった。選挙人20人を有する大票田、ペンシルベニア州の連邦地裁のブラン判事が11月21日、州当局によるバイデン氏勝利認定の差し止めを求めたトランプ陣営の提訴を棄却した。ブラン判事は略式意見で、トランプ陣営の主張は「法的根拠がなく推測による主張」と指摘。「『フランケンシュタインの怪物』のように、場当たり的に縫い合わされたものだ」と手厳しく批判した。

しかし、トランプ大統領は21日も、「選挙システム会社ドミニオン社製の票集計機がバイデン氏に有利になるよう票を改変した」と主張する右派メディアの新興放送局ワン・アメリカ・ニューズ(OAN)の動画をツイートした。

これに対し、ドミニオン社は既に声明を出し、一貫して大統領の主張は「完全な偽りだ」と反論している。米国土安全保障省サイバーセキュリティー・インフラセキュリティー庁(CISA)など国政選挙を司る複数のアメリカ政府機関も12日に共同声明で、「投票システムによる票の削除や消失、改ざん、何らかのシステム侵入が生じたという証拠はない」との見解を表明している。

●「トランプ大統領はトリックスター」

宗教研究者の中村圭志氏は21日付の朝日新聞で、トランピズム(トランプ主義)について次のような興味深い考察をしていた。

「トランプ現象は宗教に似ています。人々に救済を約束するのが宗教だとすれば、トランプ氏は、支持者たちにとっては救世主に近い期待を集める存在なのだと思います」

「トランプ氏には世界各地の神話に見られるトリックスター的な性格もあります。うそをついたり、人をだましたりするけれども、結果的に人々に恩恵をもたらす。虚偽のツイートを連発しても支持者が離れないのは、トリックスターとして期待しているからかもしれません」

トリックスターとは、いたずらや詐術、ペテンで既成秩序を攪乱(かくらん)するヒーローのことだ。

●SNSを通じて意見の先鋭化をもたらしたトランプ

トランプ大統領はSNSを通じてアメリカ社会に意見の先鋭化をもたらし、自らの立場や存在意義を確固たるものにしてきた。4年後の大統領選での再立候補が取り沙汰されるなど、今後も政治的な影響力を保持しそうだ。

日本でも、トランプ氏のフェイクニュースに踊らされている和製トランプ派が少なくない。トランプ大統領の任期は終わりに近づいているが、同氏の炎上商法の手の内を改めて知っておくことは、世界各地でポピュリズムがはびこる中、無駄ではないだろう。

高橋浩祐 国際ジャーナリスト
英軍事専門誌ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー東京特派員。ホリプロ所属。米ボルチモア市市民栄誉賞受賞。令和元年度内閣府主催「世界青年の船」日本ナショナルリーダー。ハフポスト日本版前編集長。元日経CNBCコメンテーター。1993年慶応大学経済学部卒、2004年米コロンビア大学大学院ジャーナリズムスクールとSIPA(国際公共政策大学院)を修了。朝日新聞やアジアタイムズ、ブルームバーグで記者を務める。NK Newsや論座、文春オンライン、産経新聞のJapan Forward、東洋経済オンライン、ビジネスインサイダー日本版、英紙ガーディアン、シンガポールのザ・ストレーツ・タイムズ紙等にも記事掲載。
https://news.yahoo.co.jp/byline/takahashikosuke/20201123-00209148/

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