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石垣市は22日、漂着ペットボトルを繊維商社の豊島株式会社(本社愛知県)に継続して買い取ってもらう契約を締結したと明らかにした。
今後、漂着ペットボトルを繊維の原料とする雑貨品や衣類などが製作されるという。
市によると、同様の契約は全国初。離島の石垣市は長年、漂着ペットボトルの処理に頭を悩ませてきたが、今後は回収や再利用の促進に弾みがつきそうだ。市環境課によると昨年、同社から漂着ペットボトルを再利用したいとの申し出があり、市は試験的に少量を輸送した。
今年4月には継続的な買い取り契約を締結。4~7月に収集したペットボトル1500㌔(約8万本)を29日に第一弾として出荷する。同社は漂着ペットボトルを通常の使用済みペットボトルと1対9の割合で混ぜ、糸の材料となる原綿を製作する。ペットボトルを原材料とする繊維を10%程度使用した帽子、かばん、Tシャツ、パンツ、アウターなどが約8万点製作され、2023年秋、冬に販売される予定という。
国境離島である石垣島の海岸線には、中国や韓国などのペットボトルが大量に漂着し、島の環境を悪化させている。
同課によると2020年度には延べ4000人のボランティアが約380回の海岸清掃を行い、約50トンの漂着ごみを回収したが、このうち2・5㌧がペットボトルだった。漂着ペットボトルは塩分が多く付着しているため再利用が困難視され、市は従来、委託業者に処分量を支払って引き取ってもらっていた。
家庭ごみのペットボトルは市内業者が再利用している。中山義隆市長は22日の記者懇談会で「漂着ペットボトルは費用をかけて処分してきたが、こういう形で製品化されれば、市が取り組むSDGs(国連が掲げる持続可能な開発目標)にも寄与する。ボランティアと連携し、回収率を高めたい」と意気込んだ。
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