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【金曜日の永田町(No.40) 2021.10.10】
れいわ新選組の山本太郎代表が10月8日、次期衆院選で東京8区から立候補すると表明しました。地元の意向は反映されないまま、山本氏と立憲民主党の一部幹部の間で話し合われたことに、市民たちは抗議の声をあげています。根っこには、小選挙区制という選挙制度の問題が――。朝日新聞政治部の南彰記者が国会周辺で感じたことをつづります。略
野党共闘の原点は2015年。「1強多弱」の国会で、安倍政権が安保関連法を強行したときに、「また選挙の前になったら、バラバラになるかもしれない。野党が協力して、次の選挙に勝ってください」とわきあがった市民の声です。
自民党に対する得票は全有権者の2割程度なのに、野党が分裂しているため、国政選挙で大勝を続けてきたことへの不満がありました。
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しかし、小選挙区制度というのは一番多く得票した候補者が当選するという仕組みのため、一対一の構図になりやすい傾向があります。野党にとって、多様な選択肢を絞り込んでいかなければ与党の候補には対抗できないという悲しい一面をもつ選挙制度でもあります。
10月10日、衆院東京10区で野党共闘を呼びかける「市民連合」が主催する集会が開かれ、オンラインでも配信されました。
東京10区では前回の衆院選では、自民の候補と次点だった立憲の候補との得票差は約2万票でした。共産党の候補は約2万票を獲得していました。今回は、共産党が独自候補擁立を見送り、国民民主党から立候補しようとした候補も比例中国ブロックに選挙区を変更しました。一方で、れいわ新選組は新顔候補を擁立しています。「野党共闘」の枠組みに入る政党の候補は、立憲とれいわの2人に絞られていました。
れいわの候補者は、元派遣労働者の渡辺照子さんです。
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こうした詰めの調整が続くなかで、注目を集めているのが、東京8区です。れいわ代表の山本太郎さんが10月8日、JR新宿駅前の街頭イベントで「立憲側とは話を進めている」といって、事実上、野党統一候補としての立候補を宣言したからです。
東京8区は、小選挙区制になってから25年、石原慎太郎・元都知事の長男で、自民党幹事長も務めた石原伸晃さんが8連勝を重ねてきた地盤です。
ただ、市民運動が盛んで、野党支持層が厚い地域でもあり、野党側の候補者が一本化されれば、勝機があるとみられています。そこで、2年ぶりの国政復帰をめざす山本さんが2012年に初めて国政選挙に挑戦したゆかりのある選挙区に白羽の矢を立てたのです。
「石原さんにリベンジ。もう一度やらせていただく。私に首をとらせてください」
山本さんは立候補宣言の街頭イベントで訴えました。
しかし、東京8区には、立憲、共産、れいわの新顔がそれぞれ立候補の準備を進めていました。れいわの新顔は比例に回ることで決着しました。山本さんの突然の立候補表明に、地元の市民はびっくりします。野党共闘を呼びかける「市民連合」の地域組織はこの4年間、立憲、共産、れいわの3候補が参加するイベントを重ね、粘り強く一本化に向けた話し合いの場を持ってきたからです。立憲新顔で6年間活動を続けてきた吉田晴美さんに一本化する調整も進んでいました。
10月10日には、JR阿佐ケ谷駅前に「#吉田はるみだと思ってた」と書かれたプラカードを持った市民が100人ほど集まり、地元の市民を無視した手法に抗議する街頭イベントが開かれました。
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この呼びかけに呼応するように、15人の市民が次々とマイクを握りました。
「地元の市民を無視した密室談合だ」
「ブラックボックスで決まる政党に対する不信感、市民の無力感。こんなことを許してはならない」
「一本化しようと丁寧に、丁寧にやってきて今日がある。3人のどの候補にもリスペクトを持ち、乱暴なことはやらずにきた。今起きていることはあまりにも乱暴なことです。民主主義は地域から、私たち一人一人の願いの中から育てていくもの。それを乱暴に壊すことは絶対にNOだというしかない」
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そして、批判は立憲へも向けられました。
一部の幹部が、他の選挙区でれいわが候補者を降ろすことと引き換えに、東京8区で吉田さんを降ろし、山本さんに一本化しようと模索していたからです。市民は、立憲の都連幹部から降りるよう水面下で求められ、苦しんできた吉田さんの姿も見てきていました。
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抗議活動は予定の1時間では収まらず、司会の女性が「一部の偉いおじさんたちで勝手に決める政治は終わりにしないといけない。地べたを生きる私たち市民と、その声を持って議会へ行く代議士とが一緒に政治を作るという、そういう政治を私たちは望んでいるので、これからちゃんと考え直してください」と呼びかけて終了しました。
小選挙区制になって25年。公認権や選挙区調整の権限を持った男性幹部の力が強くなるなか、「勝てる候補」への一本化が重視され、有権者が候補者の人を選ぶ選択肢は狭まり、国会の多様性と力を損ねてきました。東京8区の「市民の乱」は、いびつな政治の元凶にある選挙制度のあり方自体を見直していく必要をあらわしていると思います。
南彰(みなみ・あきら)1979年生まれ。2002年、朝日新聞社に入社。仙台、千葉総局などを経て、08年から東京政治部・大阪社会部で政治取材を担当している。18年9月から20年9月まで全国の新聞・通信社の労働組合でつくる新聞労連に出向し、委員長を務めた。現在、政治部に復帰し、国会担当キャップを務める。著書に『報道事変 なぜこの国では自由に質問できなくなったのか』『政治部不信 権力とメディアの関係を問い直す』(朝日新書)、共著に『安倍政治100のファクトチェック』『ルポ橋下徹』『権力の「背信」「森友・加計学園問題」スクープの現場』など。
https://withnews.jp/article/f0211011006qq000000000000000W0fk10101qq000023733A
有権者を何だと思ってるのかな?
比例無し
ちゃんと社説に書けよ。ぶれるなよ。
だから勝てねえんだよ
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