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旧国宝? GHQが接収した幻の名刀。ネットで落札したのはオーストラリアの弁護士。「日本刀は芸術品」。尽きない探究心。刀のたどった戦後史追い続ける
かつて鹿児島神宮(霧島市)にあった旧国宝「伝則重(のりしげ)」は終戦後、連合国軍総司令部(GHQ)に接収され、行方が分からなくなった幻の名刀だ。その伝則重とみられる刀を発見した。「確信した瞬間はうれしくて、クリスマスを迎えた子供のように興奮した」と振り返る。
アメリカの個人からネットオークションで購入。出品ページの写真はピンぼけで、柄(つか)の頭(かしら)に施された馬の浮き彫りだけが、はっきりと写っていた。「その細工が素晴らしかったので、良い物に違いないと思った」。即座に入札し、届いた刀は想像以上の業物。特徴から所在不明の「伝則重」と考え、調査を重ねた。日本で論文を発表すると、専門家らも太鼓判を押した。
「私のコレクションで最高の刀」とほれ込み、特に鐔(つば)がお気に入り。「柳の下で馬が躍動する、壮観な場面。馬の意匠が多いのは、この神社の祭り(初午=はつうま=祭)と関係があるのだろうか」と探究心は尽きない。現在も探偵に依頼し、刀がたどった戦後史を追っている。
「日本刀は、すべてが職人の手仕事で作られた芸術品」と魅力を語る。少年時代、テレビの時代劇がきっかけで興味をもち、15歳で初めて購入した。現在は55本を所有。自ら油や打ち粉を使いこなし、手入れを欠かさない。「『伝則重』も毎週磨いていますよ」。本業は弁護士で、遺言書にはこの刀を鹿児島神宮に返すよう記したという。「引退したら鹿児島に行ってみたい」とほほえんだ。メルボルン在住、66歳。
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旧国宝の刀 オーストラリアで発見か 戦後GHQ接収で所在不明に
かつて国宝に指定され、戦後GHQによる接収で所在不明となっていた鹿児島県の神宮の刀と特徴が一致する刀が、オーストラリアで見つかり、所有者はNHKの取材に対し、将来は返還する意向を示しました。文化庁は「おそらく本物だと考えていて、非常に喜ばしい」とコメントしています。
鹿児島県霧島市の鹿児島神宮に奉納され、戦前は国宝に指定されていた「刀 無銘則重」は、戦後、GHQに接収され、その後所在不明となっていました。
オーストラリアの愛刀家、イアン・ブルックスさんは、この刀と4年前にインターネットのオークションで購入した刀の特徴が一致していることに気付き、調査を始めました。
その結果、刃の長さや、鐔(つば)に彫られた銘が一致したほか、さやに巻きつけられていたとみられるラベルに、判読不明な2文字に続いて「・・島神宮」という文字があることがわかりました。さらに、鹿児島神宮と連絡をとったところ、このラベルに記載された「三二」と「八一」という数字が、神宮側に残されている目録と一致したということです。
ブルックスさんはNHKの取材に対し「自身の死後には確実に、この刀を鹿児島神宮に戻したい」と話していました。
NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220224/k10013498361000.html
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