イタリアの太陽光発電支援プログラム、中国製除外の文言を追加
イタリア環境・エネルギー安全保障省は8月27日、2024年12月30日付の再生可能エネルギー(再エネ)支援暫定省令(発電コストの市場競争力を高めるための再エネ設備暫定支援メカニズム、通称「FerX」)を改正し、太陽光発電設備に対する一部の補助金の枠組みにおいて、中国で製造または組み立てられた太陽光発電パネルおよびその部品について、補助金の対象から除外する文言を付け加えた省令を発表した。2025年5月に欧州委員会が発表したネットゼロ産業法(2025年5月29日記事参照)に準拠し、EU域内で生産・調達された製品を奨励する狙いだ。
同省より発表された上記省令には、1メガワット(MW)超の太陽光発電設備の公募について、次の内容が盛り込まれている。
(a)太陽光発電モジュールは中国で組み立てられていないこと。
(b)太陽光発電セルは中国で生産されていないこと。
(c)インバーターは中国で生産されていないこと。
(d)指定された太陽光発電設備の構成部品のうち、少なくとも1つは中国製でないこと。
イタリア・エネルギー・環境局(ARERA)の報告書などによると、上記は7月14日から9月12日まで公募を受け付けている第1弾オークションで太陽光発電に割り当てられた8ギガワット(GW)の20%に相当する1.6GW分について規定されている。2023年のEUの太陽光発電設備の50%超がEU域外の第三国、特に中国からの供給だったことを考慮し定められた。
FerXは2030年までの脱炭素化目標達成のために、太陽光、風力、水力、有機廃棄物の精製プロセスから得られるバイオガスなどの再エネ源発電設備の新設や改修、増強を支援する。2024年12月30日に発効され、期限は2025年12月31日。総割当量の推計は14.65GWで、報道などによると、予算額は97億ユーロとなっている。
イタリアの経済紙「イルソーレ24」は、欧州には太陽光発電設備におけるインバーターやその他部品の生産拠点はあるものの、パネルについてはわずかだとしている。イタリアとしては、エネルギー大手エネルがシチリア州カターニアに置く太陽光パネルの生産拠点「3サン・ギガファクトリー」を軸に、EUの目標を遂行していく計画だ。
(平川容子)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/09/dabb5ac228d5c365.html
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