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前文略
インド出身のWHO主任研究者の発言
記者会見するスワミナサン博士
ゴア州が全州民にイベルメクチンを配布すると発表して話題になった5月10日に、WHOの主任科学者であるスミヤ・スワミナサン博士はツイッターで「安全性と有効性はどんな薬でも、新しい適応症に使うときには重要です」と発信し、メルク社が2021年2月4日に発表したステートメントにリンクした。このステートメントでメルク社は、COVID-19治療薬としてイベルメクチンは科学的根拠は示されていないとし、大半の臨床試験で安全性のデータが不足していると主張した。
スワミナサン博士の出身地であるタミル・ナドゥ州(人口7600万人)では、5月14日に州政府が治療基準からイベルメクチンを削除し、このため医療施設では使えなくなった。さらにスワミナサン博士は、5月16日にYouTubeチャンネル「MOJO STORY」に出演し、「エビデンスに基づいた指導と治療、そして予防が重要だ。WHOは新しいデータに基づいて、できるだけ頻繁にガイダンスを更新している」と語り「ヒドロキシクロロキン」「ルピナビル」「リトナビル」「インターフェロン」「イベルメクチン」「レムデシビル」は、「いずれもその使用を支持するものではありません。新型コロナウイルス感染者に広く使用することはできません」と発言した。
イベルメクチンの使用を禁止したタミル・ナドゥ州の感染者は増加の一途を辿り、5月19日には3万4875人の感染者数となりインド全州のワースト1になった。その日デリーの感染者数は、4月20日から87%減少して、3840人になったとニュースに取り上げられた。
インド弁護士会からの異議申し立て
拡大送付された文書
ここで動いたのが、インド弁護士会(IBA)だ。5月25日、スワミナサン博士に法的通知(LEGAL NOTICE)を送付し、イベルメクチン使用を否定する言動をやめるように「警告」した。通知文書は、51ページにわたってイベルメクチンの科学的論文や解説を紹介し、スワミナサン博士を痛烈に批判した。
同博士は、小児と成人の結核、およびHIV関連疾病を専門とする医師で、2017年10月からWHOの事務局次長の要職に就いた。2019年3月から主任科学者になり、WHOの科学的な見解の発信や政策決定に大きな影響力を発揮している。インド弁護士会は、有効な治療法もない中でピンチに陥ったインドで、イベルメクチンの投与を州政府が次々と決断して実績をあげているとき、スワミナサン博士が反対する発言をツイッターやYouTubeで行ったために「タミル・ナドゥ州がイベルメクチンを治療基準から取り消すという結果をもたらした」とし、それで多数の死亡者が出るはめになったと指摘。さらに通知の後半では「世界の医療界、医師、科学者らは、一部の製薬企業やそれに連なるロビー活動に引っ張られてイベルメクチンの有効性を示すニュースを抑圧している」と主張した。最後に、イベルメクチンを積極的に使用してCOVID-19と闘ってきた多くの医師の名前を列挙している。
この文書の写しは、インド大統領・首相・全州の知事と行政機関の長らに送付され、同時に世界のメディアに向けてプレスリリースされた。
インド弁護士会は6月13日になってさらに、イベルメクチンの使用をめぐって訴訟になっていた事件でゴア州の裁判所が「使用は正しかった」とする判断を出したことを受け、テドロスWHO事務局長も「人道に対する加重犯罪」にあたるとした法的文書を世界に向けて公開した。
WHOがこの動きにどう対応するのか。その後の記者会見では、この問題には触れずに、「いつでも指針を見直す」との方針を強調していた。今後のWHOの対応が注目されている。
コロナ患者が急増したインドでイベルメクチンをめぐり論争 - 馬場錬成|論座アーカイブ...関連画像
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要点
– WHOは、抗マラリア薬の「ヒドロキシクロロキン」は、新型コロナウイルスの予防薬として使わないよう「強く勧告する」と発表しています。-WHOは、抗寄生虫薬の「イベルメクチン」は、臨床試験(治験)以外の目的で使うべきではないとの見解を示しています。一方、国内では東京都医師会などが、新型コロナウイルスの初期治療に使うべきだと訴えています。
– WHOは、抗ウイルス薬の「レムデシビル」は、入院患者への投与は勧められないとの指針を発表しています。一方、国内では厚生労働省が重症患者や中等症患者への使用を認めています。
知らんかったわ
マジで製薬メーカーは治験やったほうがいいんじゃないの
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