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朝日新聞社による不公正な処分についての見解
峯村健司
2022年4月7日 06:224月13日付けで朝日新聞社から停職1カ月の処分を受けます。元々、4月20日の退職が決まっていたため、実質的には1週間の停職となります。
私は、最大の政治トピックの一つになっているニュークリアシェアリング(核共有)について、重大な誤報記事が掲載されそうな事態を偶然知り、それを未然に防ぐべく尽力し、幸いにして、そのような誤報は回避されました。
朝日新聞社は、そのような私の行為について、「特定の個人や勢力のために取材・報道をしてはならず」「取材先と一体化することがあってはならず」といった社内で定めた朝日新聞記者行動基準に反するとして、「停職1ヵ月」の処分をくだしたものです。
ご心配をおかけした皆様に今回の経緯を詳しく説明いたします。略
私はひとりのジャーナリストとして、また、ひとりの日本人として、国論を二分するニュークリアシェアリングについて、とんでもない記事が出てしまっては、国民に対する重大な誤報となりますし、国際的にも日本の信用が失墜しかねないことを非常に危惧しました。また、今、現実に誤報を食い止めることができるのは自分しかいない、という使命感も感じました。この時、私の頭によぎったのが、朝日新聞による慰安婦報道です。誤った証言に基づいた報道が国内外に広まり、結果として日本の国益を大きく損なった誤報でした。
私は3月10日、A記者に電話をして、事実確認を徹底するように助言をしました。A記者からは「安倍氏に取材したのをどうして知っているのか」「ゲラをチェックするというのは編集権の侵害だ」などと強く反発されましたが、私も重大な誤報を回避する使命感をもって、粘り強く説得しました。「全ての顧問を引き受けている」と言ったのも、安倍氏から事実確認を依頼されていることを理解してもらうためでした。
A氏は私にはゲラの開示等は拒みましたが、後で知ったこととしては、A記者はその後安倍氏側と事実関係の確認し、誤認を正したうえ、3月26日付けの同誌に無事に掲載されました。
【処分の不当性】
6日付けの処罰通知書によると、私は、朝日新聞記者行動基準の「特定の個人や勢力のために取材・報道をしない」「取材先と一体化することがあってはならない」という部分に違反したということです。
百歩譲って、安倍氏が私の取材先であったり、あるいは、取材先であったりするのであれば、形式的にはそのような基準に抵触するともいえるかもしれません。しかしながら、私は今日に至るまで、一回も、安倍氏に対して取材や報道はもちろん、やりとりをメモ書きにしたことすらもありません。また、私はこの時点ですでに、朝日新聞側には辞意を伝えており、将来的に取材先となる可能性もありません。
ちなみに、私は、安倍氏から過去にいかなる金銭等も受領していません。安倍氏からは完全に独立した第三者として専門的知見を頼りにされ助言する関係であったのであり、「一体化」したようなものではありません。
なお、「取材先との一体化」については、2020年5月、朝日新聞東京本社に勤務する男性社員が、緊急事態宣言下に、東京高検検事長とマージャンをしていた問題を受けて、改定されたものです。この社員は緊急事態宣言下において、計4回、金銭を賭けてマージャンしていました(これは犯罪行為です)。この社員は東京社会部の司法担当記者だった2000年ごろ、黒川氏と取材を通じて知り合っています。当該規定は、まさに、このような取材先と不適切な関係をもつ場合に適用されるべきものです。
当然、私は、会社の取り調べに対しても、以上のような経緯を詳しく、一貫して誠意をもって説明してきました。しかし、ゼネラルマネージャー補佐らは、私の説明について耳を傾けようとせず、当初から「処分ありき」の姿勢でした。
私は北京特派員時代、中国当局に25回拘束され、取り調べを受けてきました。最長で9時間にわたって強引な尋問を受けたこともありました。しかし、今回の朝日新聞による取り調べは、愛する会社からの仕打ちという意味で、強権国家の警察当局の取り調べをもある種で上回る精神的苦痛を感じるものでした。朝日新聞を愛して入社した私として、残念でなりません。
【転職先への妨害行為】
さらには、ゼネラルマネージャー補佐は、本件処分がくだされる前にもかかわらず、私の複数の転職先に処分を事前に通告していたことが判明しています。転職妨害の強い意図を感じ、恐怖にすら思っています。
朝日新聞社は週刊ダイヤモンドによる安倍晋三元総理へのインタビュー記事を公開前に見せるよう編集部に要求したのは極めて不適切として、峯村健司編集委員を停職1カ月の懲戒処分とした。
誤報を回避したのに、朝日新聞のやることえげつないな。朝日社内には安倍連携罪が存在するのかも…。 pic.twitter.com/6RDpg75LVm
— Mi2 (@mi2_yes) April 7, 2022
LINEの中国委託問題をすっぱ抜いた記者で有名
本日、LINE社は弊社の質問をすべて遮りました。読者の皆様に代わり、その代償を払わせます。しばしお時間をいただければ幸いです。
— 峯村 健司 / Kenji Minemura『潜入中国 厳戒現場に迫った特派員の2000日』重版御礼 (@kenji_minemura) March 23, 2021
関連ツイート
『A記者からは、ニュークリアシェアリングについて、「拡大抑止と概念的に同じ」「日本と韓国による拡大抑止」といった発言のほか、あたかも中国と北朝鮮がニュークリアシェアリングしているともとれるような誤認をしたままの質問がなされていたそうです。』
な・・・なんだこれ?
— JSF (@rockfish31) April 6, 2022
専門知識の無い他社の記者が変な記事を書こうとしたので事前に食い止めたら、朝日新聞から処分を受けたと・・・うーん・・・
— JSF (@rockfish31) April 6, 2022
「朝日の良心」と私が勝手に呼んでいる峯村健司編集委員による「LINEスクープ」が新聞協会賞を受賞されました。社の受賞となっていますが、峯村さんと彼のチームの受賞と私は思っています。峯村さん、おめでとうございます。公益に資する調査報道をありがとうございました。https://t.co/ghAv0PuBmf
— 有本 香 Kaori Arimoto (@arimoto_kaori) October 6, 2021
またも特大の峯村砲炸裂。大の「嫌朝日」な私も、峯村健司さんのスクープ力、取材調査力には常に敬意を抱いている。お人柄もナイスガイだが、私があんまり褒めると迷惑だろうからこのぐらいにして、とにかくこの記事は必読。 https://t.co/LvK7irttWI
— 有本 香 Kaori Arimoto (@arimoto_kaori) June 9, 2021
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