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中国批判を一切口にせず、林芳正外相の奇妙な「対中忖度」演説
岸田首相とバイデン大統領の合意はどこへ?(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
岸田政権の林芳正外相が7月末、米国ワシントンの研究機関で日本の外交・戦略政策について演説した。インド太平洋での国際秩序を侵す中国に、日本がどう対応するかを主眼とするはずの演説だった。だが、林外相は中国への批判を徹底して避け、日中間の「協力」と「対話」を強調する対中融和の主唱に終始した。
米国の国政の場では、ペロシ下院議長の台湾訪問計画に中国側が軍事的な威嚇を発したことへの反発が高まり、バイデン大統領は習近平国家主席との電話会談で中国のウイグルでの人権弾圧に抗議したばかりである。しかし、林外相はこの演説で「中国の国内情勢は論じない」と言明して、中国側の人権問題などには一切触れない態度を明確にし、異様なほどの対中忖度を示す結果となった。
岸田首相とバイデン大統領の合意を無視
林外相は日米経済政策協議委員会(経済版「2+2」)への参加を主目的に7月28日からワシントンを訪問した。翌29日午後には、米国の大手民間研究機関「戦略国際問題研究所(CSIS)」で「歴史的な岐路でのわれわれの将来=法の支配に基づく自由で開かれた包括的な国際秩序」と題する演説を行った。
私もCSISへ出かけ、80人ほどの聴衆に入って、じっくりと演説に耳を傾けた。演説は質疑応答も含めて40分ほどだった。
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岸田首相はバイデン大統領との間で中国への非難や抗議について合意している。林外相の演説は、その合意を無視する結果となっており、岸田内閣の外務大臣としての米国での公式演説としてはきわめて奇妙な対中融和の傾向を印象づけた。
林芳正氏は2021年11月の外相就任時まで、長年、日中友好議員連盟の事務局長や会長を務め、中国との友好や対話を主張してきた経歴がある。
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随所に対中融和の傾向が目立つ林演説
それでは、今回の林演説における対中忖度、あるいは異様なほどの中国への遠慮として響く特徴を具体的に指摘しよう。
【1】尖閣諸島への攻勢を指摘しない
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【2】ウクライナ侵略を巡る中国の対応を批判しない
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【3】不当な行動を指摘しつつ中国の名を挙げない
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【4】中国と対話を進めるべきと力説
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【5】中国の人権弾圧には一切触れず
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関連ツイート
海外で日本の国益を損ねている外相。尖閣にも触れないという、中国という主語を消したレッドチームの方。📱カメラも大問題では?
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— 清水ともみ (@swim_shu) August 4, 2022
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