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2024年7月10日、環球時報は「日本はなぜ『無毛社会』と呼ばれるのか」と題した記事を掲載した。
記事はまず、中学1年の娘を持つ親が「脱毛のために娘が2時間もバスルームを占拠している」と不満をこぼしたというエピソードを取り上げ、「無毛社会」と冗談交じりに呼ばれる日本では決して特別なケースではないと紹介。「毛深い」ことを恥、「無毛」を美とする日本社会の観念は世界でも稀有だと指摘する専門家もいるとし、日本では今や老若男女が脱毛の実際の顧客、あるいは潜在的な顧客なのだと伝えた。
そして、東京未来大学の鈴木公啓准教授が5年前に10~60代の男女約9000人を対象として実施したネット調査では、20~30代の女性の9割以上が脚や脇、足の指の体毛を処理した経験を持ち、60代でも4割以上が脚や足の指の体毛を、7割近くが脇毛を処理したことがあると回答したことを紹介している。
また、ここ数年は体育の授業や部活などが始まる子どもが脱毛するケースも増えており、業界大手のTBCでは2011年より7〜15歳を対象とした「子ども脱毛」を実施しており、利用者は年々増加していると紹介。母が娘を連れて施術を受けさせたり、祖父母が孫の進学祝いにプレゼントしたりするケースもあるとした。
その上で、鈴木准教授の見解として、女性にとって体毛処理はもはや個人の選択の問題ではなく社会のルールと化しており、各種メディアから「体毛はきちんと処理しなければならない」というメッセージが発信される中で、特に小中学生の間で「すべすべ肌が正義」という考え方が浸透したと説明。男性の美意識も大きく変わり、1970年代には力強さを誇示するような濃いヒゲが魅力とされたのに対し、今ではヒゲのないきれいな肌が美とされるようになったほか、メディア広告では就職活動や求婚と脱毛が結びつけられ、まるで脱毛が人生の重要なステップであるかのようだと伝えた。
記事は、文化人類学者によると日本人が脱毛を好むのは「無駄なものはすべて排除する」という社会心理が関係している可能性があると紹介するとともに、現代人の生活では体温調節を体毛に頼ることはもはやないものの、不適切な処理で皮膚感染症を引き起こす可能性があり、脱毛剤の頻繁な使用は皮膚アレルギーを引き起こす恐れがあると皮膚の専門家が指摘していると伝えた。また、美容脱毛を巡るトラブルが後を絶たず、特に10〜20歳の若者から国民生活センターに寄せられる脱毛美容に関する苦情が多くなっているとした。
さらに、今や脱毛が主流になっている日本社会において、世の中の流れに飲まれずに自らの意思で脱毛の要不要を判断することを呼びかける流れも起きていると指摘。SNS上では「何が無駄で、何が無駄でないのか」を冷静に考えようと問いかける人もいると伝えた。(翻訳・編集/川尻)
Record China 2024年7月14日(日) 17時30分
https://www.recordchina.co.jp/b936963-s25-c30-d0193.html
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