ドイツ新首相、確実視されていたメルツ氏が選出されず…戦後ドイツ史上初の「異例事態」
【ベルリン=工藤彩香】ドイツ連邦議会(下院、定数630)は6日、新たな首相を選出するための投票を行った。2月の総選挙で首位となった中道右派・キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)のフリードリヒ・メルツCDU党首(69)の選出が確実視されていたが、メルツ氏の得票は310票で、選出に必要な議会過半数(316)にわずかに届かず、選出されなかった。
複数の地元メディアは、1回目の投票で首相が選出されなかったのは戦後ドイツ史上初めてで、「異例の事態」だと報じた。
新連立政権の樹立で合意しているCDU・CSUと、中道左派・社会民主党(SPD)の議席は計328議席で、過半数を超えている。両陣営は移民対策や年金などの社会福祉政策を巡る隔たりが大きいと指摘されており、保革大連立への反発で造反者が出たとみられる。
首相選出のための投票は再度行うことができ、基本法(憲法)では2回目の投票を14日以内に行うと定めている。各党は今後の対応を協議しているが、地元紙フランクフルター・アルゲマイネは、再投票は9日に行われる見通しだと伝えている。
トランプ米政権の「欧州離れ」や関税政策など、ドイツが対応すべき課題は山積している。メルツ氏は「行動力ある政府」として首相就任直後から精力的に課題解決に取り組むと強調してきたが、新政権発足を前に早くもつまずいた格好だ。メルツ氏の求心力は低下しており、早期の立て直しが求められる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/25107e55da9afbffbf3834ca7e78bae982106c74
ただイギリスやルーマニアでも、最大クラスの政党が極端に支持を落とす可能性となったため、ドイツの主要政党内でも相当な危機感につながり、異例の状況になったのではと思います。
メルツ率いるキリスト教民主/社会同盟(CDU/CSU)は、ショルツ政権による脱原子力の完了を「イデオロギーに動機付けられた誤った判断」「原子力は再エネなどとともに欧州のエネルギーミックスの一部であり続け、フランスなどの戦略を尊重すべき」と主張。技術・財政的に許容される範囲で、閉鎖原子炉の再稼働の可能性の専門的評価を迅速に行いたいとしている。
フランスに続きドイツも原発回帰に舵を切ることになるだろう。
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