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ウォンが他の通貨よりも急激に下落している。韓国銀行経済統計システム(ECOS)によると、ウォンは先月主要43通貨のうち40通貨と比べて価値が下落した。先月末の各通貨比のウォン相場を7月末の数値と比較した結果だ。
先月ウォンよりも価値が下がった通貨は、英ポンド(-1.05%)、スウェーデン・クローナ(-1.18%)、アルゼンチン・ペソ(-2.21%)の3つにすぎなかった。米ドル(3.34%)だけでなくユーロ(1.58%)、スイス・フラン(1.32%)、オーストラリア・ドル(1.29%)などほとんどの通貨が対ウォンで強さを見せた。
新興国も例外ではない。急速に資金が流出しているインド(3.3%)、タイ(3.27%)、ベトナム(3.05%)などアジアの新興国の通貨さえも対ウォンで価値が上がった。景気低迷を防ごうと低金利を維持し金融緩和を行っている日本円(0.01%)よりも小幅だがウォンが弱いほどだ。
大幅なドル高が続きほとんどの通貨価値が下がっている。だが最近の傾向はウォンだけが弱い。1日で10ウォン前後のウォン安が続く金融危機級の急落が続いている。この日のウォン相場は前営業日より8.80ウォンのウォン安ドル高となる1ドル=1371.40ウォンで取引を終えたが、わずか3営業日の間に1330ウォン台から1370ウォン台に急下降した。
秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官は非常マクロ経済金融会議で「最近国際金融市場不安が再度拡大し韓国の金融市場の変動性も拡大している。対内要因よりは主に対外環境の悪化に起因する」と明らかにした。その上で「ウォン下落とは違い対外健全性指標は大きな変化なく安定した水準を維持している」と強調した。
韓国政府は過去の通貨危機と金融危機当時と比較し、外貨準備高、経常収支黒字、対外債務比率など指標が健全だから大丈夫だという言葉を繰り返している。だがあまりに下がったウォン相場は別の話をする。
輸出依存度が高い小規模開放経済である韓国は金利引き上げ期を迎えて弱点が如実に表われているところだ。ウォンが急落する最大の原因は米国の金利が韓国より高くなる韓米金利逆転現象だ。世界1位の経済大国に基軸通貨であるドルまで保有する米国が韓国より金利が高いためドルを買うためにウォンの投げ売りが続いている。
カトリック大学経済学科のヤン・ジュンソク教授は「金融統制が激しい他の新興国に比べ韓国は資本市場の障壁が低い方で、株価やウォンの価値が上がる時は大きく上がるが、下がる時も特に大きく下がる特性がある」と説明した。危機の兆しがあるたびに浮上する「ATM韓国」の限界だ。
ヤン教授は「過去韓米金利逆転現象が2度あったが急激な資本流出がなかったのは当時貿易収支が黒字だったため。以前と違い現在は貿易収支赤字が大幅に出ているが米国が0.5~0.75%ずつ金利をさらに上げるなら為替市場の不安はもっと大きくなるかもしれない」と予想する。
原材料価格が安定し半導体など輸出景気が大きく反騰しない限り市場不安は解消されないだろうという指摘が出ている。韓国の輸出の柱である米国と中国で同時に沈滞警報が鳴っており見通しは暗い。2008年の金融危機当時よりはるかに増えた韓国の家計負債と国の債務などの脆弱性も浮上している。KB証券のハ・インファン研究員は「過去には安定性(健全性)の問題だったのに対し、いまは収益性の問題(輸出不振)」と診断した。
https://s.japanese.joins.com/Jarticle/295201
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