加速する”EV離れ” 米ロサンゼルスの山火事で露呈したEVの危うさ… 迫る火の手、一刻も早い避難、充電にかかる時間は30分、EVスタンドは充電待ちで大渋滞、災害時、避難先がどれほど遠くになるかは予測が難しく、航続距離の不安

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米ロサンゼルスの山火事は3週間あまり続き、1月31日にようやく鎮圧された。この火災でテスラなどの電気自動車(EV)が避難・復旧の妨げになっていると現地メディアが報じている。テスラは現地で高いシェアを誇るが、災害時に露呈した弱みが「EV離れ」を招いている――。

■充電スタンドは避難する人々で大渋滞

 だが、カリフォルニア州で1月に発生した大規模な山火事では、テスラオーナーたちは身の危険を感じたようだ。混乱する現地の状況を、平時はロサンゼルスの娯楽情報を発信している人気YouTubeチャンネル「JPland21」(登録者数120万人)が詳しく伝えている。

 同チャンネルの投稿者は、パサデナで発生した火災が自宅からわずか20キロ弱のところにまで迫る中、早めの自主避難を決めたという。

 だが、所有するテスラに飛び乗ると、予想外の事態に気づく。バッテリー残量は8パーセントのみで、走行可能距離はわずか26キロの状態だった。多くの避難車両で渋滞する主要道を抜けることを考えれば、かなり心許ない数字だ。

 充電をしようとスタンドへ向かった投稿者だが、慌てたテスラオーナーたちが詰めかけたスタンドには長蛇の列ができていたという。20基ほどの充電器がある大型の施設でさえ、テスラやアメリカの新興EVメーカー・リビアンの車両など6台が場外で待機する状態だった。時間が経つにつれ新たな車両が続々と押し寄せ、混雑はひどくなる一方だという。

 追い打ちをかけたのが、最大風速約36m毎秒の突風だ。台風の基準とされる17.2m毎秒を大幅に超える。バーバンク地区では送電線が倒れ、広範囲で電力供給が止まった。送電線のスパークで新たな火種が発生するのを防止すべく、意図的に送電を中止した地区もある。投稿者は当時の混乱を、「(充電スタンドではない一般の)店舗の多くが停電で営業できず、店内は真っ暗。決済システムすら使えない状況です」と語る。街中が混乱状態にあった。

■火が迫るなか充電に35分間かかった

募る焦りを堪えながら順番を待ち、何とか充電を済ませた投稿者。ほぼ空の状態からフル充電に要した充電費用は12ドル(約1900円)と、ガソリンより安価だったようだ。

 だが、電費の良さはここでは問題ではないだろう。火の手が近隣地区に迫るなか、充電に費やしたという35分間でずいぶんと肝を冷やしたようだ。「昨夜のうちに充電すべきでした。火災がここまで近づくとは想像もしていませんでした」と投稿者は反省の弁を述べている。

 ガソリンのように素早く給油できないEVの、その弱みが露呈する形となった。避難を諦め、うち捨てられたテスラ車もあるようだ。米ニューヨーク・タイムズ紙の現地取材によると、パシフィック・パリセーズ地区では、サンセット大通り付近のパリセーズ・ドライブ沿いに、灰に覆われた数十台の車が今も放置されたままの状態だという。

■EVは手放したい…周辺住民が語る見直し論

 こうした災害時の運用を念頭に、果たしてEVの所有は安全なのか、懸念の声が高まっている。ロサンゼルス・タイムズ紙は、カリフォルニア州で相次ぐ山火事により、EVの所有者や購入予定者の間で新たな不安が広がっていると伝えている。テスラ以外のEVも懸念の対象だ。

 サンフランシスコ・ベイエリアの丘陵地帯に暮らすバル・チポローネ氏は、1回の充電で約350キロ走行できる日産リーフを保有している。だが、同紙に対し、災害時の安全性を考え、手放す決断をしたと語る。次はEVではなく、ハイブリッド車かプラグインハイブリッド車を購入するつもりだという。

 「災害時、避難先がどれほど遠くになるかは、予測が難しいです。最初は通勤用として十分だと思っていたのですが、緊急時にはもっと遠くまで逃げる必要があるかもしれないと気づきました」と語るチポローネ氏。

 ロサンゼルス中心部に接するグリフィス・パーク周辺在住の弁護士マシュー・バタリック氏も、EVに対する信頼性を再考している最中だ。同紙の取材に応じ、「避難ルートにあるEV充電スタンドは大混雑が予想され、充電待ちで貴重な時間を失うことになります。ガソリンスタンドなら、その心配は少ないですから」と揺れる心境を明かした。

 バタリック氏は続けて、「さらに問題なのは、電力会社が火災予防や賠償リスク回避のため、電力供給を停止する可能性があることです。こうした懸念は、丘陵地帯の住宅地では今後も続くでしょう」と心情を吐露している。

■災害の多い日本にEVは適しているか

 環境対策の切り札として期待されたEVシフトだが、思わぬ災害時の弱みが明らかになった。先進性でもてはやされたテスラも例外ではない。また、同社の故障率の高さはむしろ避難の際、不安要素になるだろう。

 避難にあたっては、充電上の課題を甘く見ることはできない。数分で給油完了できるガソリンと異なり、高速充電が可能なタイプのスタンドでも30分前後は足止めを食らうことになる。この30分が避難者の命運を握ることもあるだろう。

 カリフォルニア州は2035年までに新車販売をEVに限定する方針であり、日本も基本路線としてはEVシフトを推進する方向だ。だが、地震や火災など災害が多い日本では、より慎重な検討が求められる。

 被災地では徒歩移動が基本とされるが、緊急時にはクルマが命を救うこともある。日本の内閣府資料によると、東日本大震災では57%が必要に迫られ自動車で避難している。徒歩では安全な場所までの避難が難しいなどの判断があったといい、自家用車はライフラインとして機能する実態が明らかになった。

 災害対策を含めた包括的な議論なしには、EVシフトは机上の空論に終わりかねない。環境保護は重要だが、それは市民の安全が確保されてこそ意味をなす。テスラやEVの普及が進むロサンゼルスで起きた山火事は、現地の市民のあいだでも、先進的な車両に潜む課題を再考する機会となっているようだ。

全文はリンク先で
ニューズウィーク
https://news.yahoo.co.jp/articles/243531a9b742673978626031efa8cdec4bec45c3?page=3





管理人
ネットの反応
名無し
日本でEVが普及しない理由として日本人には「もしもの時」というDNAが刻まれていると思うのです
名無し
社会の運用周りの整備が何も進んでないのに、先に車を押し売りしてる政策が頭おかしいって
 
皆言ってたし今も言ってるだろ……
名無し
やっぱりインフラ頼りだと災害が起きた時に致命的に頼りない状況になるんだなぁ。
名無し
短時間充電はやはり必要だね。航続距離を考えると現状はセカンドカーがベストな様で
名無し
ますますトヨタ一強か?ハイブリッドが答えか?固定電池どうなった?
名無し
皮肉なことに環境を叫ぶ方の多いLAで災害時のPEVの弱点をさらけ出してしまった
/(-_-)\理想と現実
名無し
これだから日本では完全EVが現実的ではないんよ……雨風雪洪水地震で電気に100%依存するのは怖いわ。




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