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日本の新紙幣、原料はネパールの山脈からも 両国の経済に貢献
東京(CNN) 日本で3日から流通が始まった新紙幣。その原産は予想外の場所だった。明るい黄色の花をつける紙の原料ミツマタは、ネパールのヒマラヤ山脈のふもとの山岳地帯で生産されている。
新紙幣は日本人の財布に収まる前に、陸と海を何千キロも旅して数カ月かけ、日本にたどり着いていた。
富裕国日本への現金の材料の提供は、世界最貧級の国ネパールで、農村に新たな収入源をもたらす可能性を秘めている。
製紙会社「かんぽう」の松原正社長は、ネパールが日本経済に貢献してくれたことに感謝すると述べ、ネパールがなければ日本は機能しないと語った。
長い旅
灌木(かんぼく)から紙幣への道のりは、ネパールのヒマラヤ山脈のふもとから始まる。農業ではなくエベレスト登山の入り口として知られる町の近くに栽培地はある。ここでは毎年春になると山肌が一面、黄色に染まる。ヒマラヤ原産のミツマタの花。かんぽうによると、ミツマタの樹皮の繊維は長く丈夫で、薄くても破れにくい紙を作るのに最適だという。
かつては日本国内でも生産されていたが、農村から大都市へ移り住む人が増え、ミツマタを生産する農家は減る一方だった。
そこでネパールが浮上した。
かんぽうは1990年代、井戸を掘る農家を支援する慈善事業のため、初めてネパールを訪問。そこで目にしたのが、見渡す限りの山肌に自生するミツマタだった。同社は農家にミツマタの栽培方法を教え、当初は少量を生産して輸出していた。
しかしその後の数年で日本のミツマタ不足が鮮明になると、かんぽうとネパールの農家が手を組んで生産量を増やし、ネパールは日本の紙幣の主要供給国になった。
生産には時間と手間がかかると松原社長は言う。初夏に苗を植えて秋に枝を収穫。数カ月かけて樹皮を蒸して皮をむき、洗浄、乾燥などの処理を行う。
冬に原紙が出来上がると、ネパールの首都カトマンズに送って車でインドのコルカタへ運び、そこから船で横浜へ輸送する。
点検後、小田原市に近い国立印刷局で紙をさらに加工して印刷、断裁し、紙幣が完成する。
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