27日の東京外国為替市場で円が対ドルで急騰し、一時1ドル=142円台後半を付けた。同日実施した自民党総裁選で石破茂氏が新総裁に選出された。市場では日銀の利上げ停止を求めていた高市早苗氏が勝利するとの思惑から事前に円売り・ドル買いの動きが膨らんでいたため、石破氏の勝利で巻き戻しの円買いが生じた。日経平均先物も夜間取引で2000円超急落した。
円は石破氏の選出が決まる直前には1ドル=146円台前半で推移しており、3円超の円高・ドル安が進んだことになる。石破氏は円安に伴う物価上昇を問題視する姿勢を示していたこともあり、日銀の金融正常化路線が維持されるとの見方が円買いを促した面もある。
三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは「短期的には1ドル=140円を突破する水準まで円高・ドル安が進む可能性もある」と指摘する。来週には米雇用統計など市場の注目が高い経済指標の発表を控えており、市場の注目が日本の政治情勢から米景気動向に再び移る可能性を指摘する声も多い。
株式相場は下げで反応した。27日夕方の大阪取引所の夜間取引で日経平均株価先物が急落し、12月物が3万7700円前後と、27日の清算値(3万9850円)から2000円超下げた。対ドルの円相場の上昇で輸出企業が主力の日本株の売り姿勢が強まった。
国内債券市場では、石破総裁の就任で日銀が利上げを続けやすくなったとの見方から利回りが上昇(債券価格は下落)している。長期金利の指標となる新発10年物国債は一時0.855%と、結果発表前の0.805%から急上昇した。金融政策の見通しを反映しやすい2年債は0.315%から0.37%に上がった。
日経
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB2773A0X20C24A9000000/
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