「目覚めた保守層」は、なぜ外国人に牙をむくのか 新興政党の登場で顕在化する排外主義
Published 2025/06/01 09:00 (JST)
昨年10月の衆院選では、参政党や日本保守党といった「新興右派政党」が支持を集め、それぞれ3議席を獲得した。今年5月の代表選で続投が決まった神谷宗幣氏は、夏の参院選で6議席を目標に掲げている。
両党の支持者は「外国人を優遇している」「日本の文化が変わってしまう」と口をそろえる。経済の停滞やコロナ禍、インバウンド(訪日客)の増加によって不満が高まる中、排外主義や外国人嫌悪が顕在化している。
SNSをきっかけに「目覚めた保守層」。なぜ彼らは新興右派政党を支持し、外国人に牙をむくのか。両党の支持者の取材で見えてきたのは、日常生活の不満や危機感にナショナリズムが絡み合って生まれた排外主義だった。(共同通信=佐藤高立)
▽「日本国は日本人のものである」
2月9日の午後、和歌山県橋本市の公民館。参政党の和歌山第2支部が衆院議員による講演などのイベントを開いていた。集まった25人ほどの支持者たちは、40~50代が多い印象だが、子どもを連れた30代くらいの女性も目立つ。
イベント中に目を引いたのは「創憲」ワークショップのコーナーだ。「理想の日本」をテーマに、支持者自身が新たに「憲法を創る」、参政党が推進している活動だ。
ワークショップでは、4人ほどのグループに分かれて議論し、模造紙にマーカーで、それぞれの案を書いていく。
“ ―日本国は日本人のものである。日本の土地に外国人の所有権を認めない
―日本に居住する者は、日本の伝統文化・慣習に従う
―目指すべき国家像として”八紘一宇(はっこういちう)”の精神を盛り込む
―選挙投票の義務化
―国民の幸せという観点より、弱者の意見や思いが反映される
―1次産業を守る義務”
(中略)
▽「外国人つぶし」で暮らしを良くする?
一見すると支持を拡大し、躍進した新興右派政党。しかし、有権者の支持動向を研究する大阪経済大の秦正樹准教授(政治心理学)は、「躍進」という言葉に違和感を覚える。
「参政党は2022年の参院選から得票率は変わっていない。支持をやめた人と新たに支持する人でプラスマイナスゼロの可能性はありますが、総数としては変わらないです」
実際に総務省によると、22年の参院選では比例の政党得票率が3・33%に対し、昨年の衆院選は全国比例が3・43%(速報結果)。ほぼ変化はみられない。日本保守党についても、秦准教授は「あくまで河村たかし氏個人への投票が多いだけです」と切り捨てる。
さらに派閥裏金事件で自民に逆風が吹いた事も、参政党や日本保守党への追い風になったと考える。共同通信の出口調査によると、自民支持層の2%程度が両党にそれぞれ流れていた。
秦准教授は「『躍進』と言われると、もうちょっと選挙の構造を見ましょう、と思います」。ヨーロッパで右派政党が支持を広げているのに比べ、小選挙区制度を採用する日本では、今後の支持拡大は限定的だとみる。
一方で、参政党や日本保守党の手法は、ヨーロッパの極右政党、特にマリーヌ・ルペン氏が率いるフランスの国民連合(RN)と通じるところがあるという。 そこで使われたのが「国民が彼らに職を奪われている」という感情だ。
秦准教授はこう語る。
「その(日本人の生活を豊かにする)『改革』の裏には、外国人をつぶして日本人に良くするという方向性も含まれています。参政党や日本保守党だけでなく、国民民主や維新などの保守政党も、露骨に外国人を敵にして自分たちの支持を得るという手法を取っているが、なかなか報道されない。ここに警鐘を鳴らしたい」
▽取材後記「誰かを傷つけていないか」
今回、戦後80年大型企画に参加し、昨年12月から今年4月まで、5カ月にわたり、参政党と日本保守党の支持者を取材した。市民が自ら生活の不満を変えようと、政治に参画する姿勢が印象的だった。政治離れが進んでいると言われるが、彼らの熱量が、民主主義を機能させると考えることもできなくはない。
しかし、自分たちの暮らしを良くするという彼らの言葉は、外国人に刃を向けることを意味する。
秦准教授によると、2000年代後半にいわゆる「ネトウヨ(ネット右翼)」が登場し、その後ヘイトスピーチが問題になった。
外国人が標的になってきたが、最近では高齢者と若者、高所得者と低所得者の対立があおられているきらいがある。豊かな生活を送るために何者かを敵にする風潮には危機感を覚える。自らの利益のために誰かを蹴落とすのではなく、誰一人取り残さないための方策を議論すべきではないだろうか
※全文はソースで。
https://nordot.app/1292688813346144620
十把一絡げに外国人のレッテル貼るなよ糞記者
そりゃ誰だって嫌になるわ
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