エアコンの室外機窃盗が急増 2020年は全国で255件 → 2024年は3397件と約13倍に増加
「銅」を狙った窃盗が今、相次いでいます。
特に狙われているのがエアコンの室外機です。
9月13日には福岡県北九州市の廃校になった小学校で、エアコンの室外機12台がなくなっているのがわかりました。
なぜ、いま「室外機」が狙われているのでしょうか。
銅の取引価格10年で2倍超に
セコムIS研究所 濱田宏彰さん
「金属価格が上がってくると金属絡みの罪が増えるのは毎回のケースなので、今(金属が)高くなっている状況は、様々な金属に対して守りを固めることが大事なタイミング」銅の取引で国際指標となっている、ロンドン金属取引所での銅価格の推移をみると、2015年に1kg=666円だった銅の価格は、2025年に1408円となり、この10年で2倍を超える金額にまで高騰しています。
これは、銅が多く使われる電気自動車や半導体などの需要拡大に伴うもので、価値が上がっている銅を販売して利益を出そうと、今、銅が狙われているのです。
室外機は盗みやすい?
特に、エアコンの室外機は、頑丈に固定されていないことから狙われやすくなっているといいます。セコムIS研究所 濱田宏彰さん
「(室外機は)コンクリートのたたきにそのまま置いて室内機まで配線するケースが多く見られますので、配線と配管をチョキンと切れば、2人とかで運び出せてしまう」
室外機は工具があれば短時間で盗むことができ、また、業者を装って怪しまれにくい恰好をしているケースもあると言います。
”防犯意識の高さ”アピールを
では、室外機が盗まれないようにするには、どう対策を取ればいいのでしょうか?セコムIS研究所 濱田宏彰さん
「室外機が道路に面していてすぐ持っていかれるかも知れない場合は、できるならばアンカーを打つ、ワイヤーで固定する、警報装置・音が鳴る・光が出るものを積み重ねていただいて、『ここは防犯している』というアピールをして、狙われない対策が今求められている」
被害は全国的に増加
公共施設だけでなく、工場や個人宅などでも被害が相次いでいて、警察庁によると室外機の盗難の認知件数は、2020年は全国で255件でしたが、2024年は3397件と約13倍に増加。
福岡県内では2023年が33件、2024年が159件、そして2025年も8月末時点で、すでに120件発生しています。
被害を防ぐには
エアコンの室外機窃盗、家庭でできる対策は
●エアコンの室外機をワイヤーなどで固定する
●センサーライトなどで防犯意識の高さをアピールする
●踏むと大きな音が鳴る「防犯砂利」を設置
●プランターや植木鉢を周囲に配置して移動しづらくする
なお、改正古物営業法が10月1日に施行され、これまでスクラップ業者などが室外機や電線などを買い取る際、1万円未満の取引は売りに来た人物の本人確認の義務が免除されていましたが、10月以降は金額に関係なく本人確認が義務化されます。

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