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新紙幣が発行されてから3日で1カ月になる。だが、いまだ現物を手にしていない人も少なくないのではないか。20年ぶりの出来事として発行当初はニュースになったものの、現時点ではさほどの話題にならない。キャッシュレス化が徐々に進む中、当然の帰結なのか。だとしたら恩恵や効果はどこにあるのか。(西田直晃、山田雄之)
◆「自動販売機で使えない」?
2日昼、東京都北区のJR王子駅前。新1万円札の肖像の渋沢栄一が生前に居を構えた地で、「こちら特報部」は街の人に新紙幣を持っているか聞いてみた。
「昨日、2枚の新1000円札を手にしたのが初めてよ。近くの十条銀座商店街でいつも買い物するけど、お釣りでもらうことも一度もなかったから」。区内に暮らす吉田良子さん(77)はこう語った。バスを待っていた中学1年、松本尊さん(12)も「一度も手にしていない」とのこと。「友達が『自動販売機で使えない』と騒いでいたのを耳にしたぐらい」
◆飲料自販機のうち、新紙幣対応は「2〜3割ほど」
日本自動販売システム機械工業会によると、国内の約220万台の飲料自販機のうち、新紙幣に対応しているのは2〜3割ほどだ。担当者は「1カ月前とほぼ変化はない。前回、2004年に発行された新紙幣は、世の中に流通するのに1、2年ほどかかっていた。クレームを避けるため、そのぐらいの時期には対応を終えるのでは」と語った。
自販機の中でも、たばこは特に対応機が少ないようだ。主要な購入先はコンビニに移行している上、自販機で成人を識別するシステム「タスポ」の運用が2026年3月末で終わる。全国たばこ販売協同組合連合会の担当者は「古いたばこ自販機の更新には費用がかさみ、対応に踏み切る店主さんは少ない」と話す。
◆キャッシュレス化の勢いは強まるばかり
王子駅前の立ち食いそば店では、食券機は交通系ICカードには対応していたものの、新500円硬貨と新紙幣は未対応だった。年配の男性店員は「新紙幣を使ったのは朝から2人だけ」。今のところ、従業員が両替で対応すれば「問題ない」という認識だ。
飲食チェーンの「グローバルダイニング」(東京)は1月から、運営店舗の完全キャッシュレス化にかじを切った。新紙幣発行に先駆けた方針転換について、広報担当者は「2018年からキャッシュレス対応を進める中で、利用客の現金での支払いが少なく、5年間で社会が変わってきたと判断した」と説明し、「新紙幣になれば、機器の更新が必要になる。その前に切り替えた」と続けた。特にトラブルはないという。
キャッシュレス化の波はバス業界にも。国土交通省は先月、路線バスの規定を見直し、運賃の支払い方法に現金がなくても、運行が認められる内容にした。まず、全国で10路線を対象に「完全キャッシュレスバス」の実証運行を始める予定で、今月末をめどに参加事業者を選考するという。
国交省の担当者は「新紙幣発行とタイミングが重なったのは偶然だが、一部の事業者にとって、運賃箱の設置や事業所への現金輸送を省けるキャッシュレス化の意義は大きい」と強調。日本バス協会の担当者は「新紙幣への反応は各社まちまちだ。完全に対応済み、切り替え中のほか、新機器の費用面の懸念から未対応の事業者もいる。完全キャッシュレス化が進む将来を見据えた動きもある」と話す。
◆偽造防止のためだけど…近年は偽造自体が激減している
(略)新紙幣は、最新の技術として肖像が回転して立体的に見える「3Dホログラム」を世界で初めて採用。すかしにも高精細な模様を入れるなどしており、高度な偽造対策が施されている。
だが警察庁の資料によると、昨年発見された偽造紙幣は681枚で、2000年以降のピークだった04年の2万5858枚の30分の1以下に激減している。ある警察幹部は「インターネットバンキング口座への不正アクセスなどで一度に大金をだまし取れる。紙幣の偽造はコストに見合わなくなっている」と話す。
むしろ新紙幣発行に伴って、警察庁は便乗した犯罪への警戒を呼びかける。高齢者が金融機関職員をかたる人物から「新紙幣交換のためお金を取りに行く」との電話を受け、訪ねてきた人に現金をだまし取られる被害も発生しているという。
◆経済効果はどうか…「利上げの方がまだ効果がある」(略)
◆「券売機メーカーなど一部の業界だけが利益を得る」(略)
◆デスクメモ(略)東京新聞 2024年8月3日 12時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/344821
家族とから安っぽいと作りだと不評だったけどw
そのお金で病院での自動支払機使って精算したら、新五千円札と新千円札でてきたわ
いや下手をするとホントに一週間一切現金を使わないこともある
ときどきはくたびれた紙幣を新しいものにしたいのに、ついついキャッシュレス
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