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教研集会 タブレット端末の「電磁波」危険性訴え 学校のデジタル化を批判
日本教職員組合(日教組)が開催している教育研究全国集会(教研集会)の保健・体育分科会で、小中学生に1人1台配られたタブレット端末などが発する電磁波の危険性を訴えるリポートが発表された。世界保健機関(WHO)は因果関係に科学的根拠はないとの見解を出しており、学校のデジタル化に支障が生じないか懸念される。
リポートは福岡県の中学養護教員が発表。電磁界(電磁気による力が作用する空間)にさらされることで頭痛などの症状が生じるとされる「電磁波過敏症」を問題視し、教員仲間らとの勉強会などの内容を報告した。
勉強会参加者は体調不良を訴えて保健室を訪れる子供に対し、電磁波の影響を念頭に「タブレットを使っていたか」「先生はプロジェクタを使っていたか」などと質問していると説明した。
来年度からは一部教科でクラウド配信によるデジタル教科書の使用が始まる。この教員は分科会で「(一度に送受信するデータ量が増える)ダウンロード版への変更を強く求めなければならない」と述べ、他の教員にも危険性を周知し、教育委員会に測定器購入を働きかける必要性を訴えた。
分科会の出席者からは「最近の子供は休みがちで熱中症なども多い。電磁波の懸念があることははっきりしており、学校環境調査の項目に入れるべきだ」(沖縄県の教員)との声が上がった。
環境省は昨年公表したパンフレットで、電磁波過敏症の症状を「電磁界曝露(さらされること)と結び付ける科学的根拠はない」とするWHOの見解を明記している。
経済産業省の有識者会議の提言で設立された中立的専門機関「電磁界情報センター」の大久保千代次所長によると、国の研究機関が学校の教室でパソコンが発する電磁波を調べたところ、最大値で総務省が示す安全基準の1千分の1以下だった。大久保氏は「WHOの調査でも、タブレット端末の電磁波が健康被害をもたらすという科学的な証拠はないと結論付けられている」と話す。
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